先日、高山さん(仮称)が、半年振りに来社されました。

生後4カ月の”そらちゃん”を抱いた彼女は、以前と変わらずほっそりとして

やさしく微笑んでいました。

素直で前向きな彼女は、ぐんぐん真っ直ぐ伸びて、日之出縫製チームの

大切な戦力となっていました。



「子供が生れたら、見せにきてもいいですか。」

「どうぞ、どうぞ、楽しみに待っています。お身体大切に・・。

丈夫な赤ちゃんを生んで下さいね。・・」



体重6300g、順調です。人見知りもしません。

湿疹一つ無い真っ白なお顔にまん丸い目をした可愛い男の子です。

私も一緒に事務所から二階の縫製ルームに上がって、皆大喜びです。

ほっぺをつついたり、指を握ったり、抱っこする人もいます。

「手を消毒しなきゃ赤ちゃんに触れちゃ駄目。」

インフルエンザ対策のアルコールが大活躍です。



「子供は続けて生んで、保育園に行く頃には、また日之出でお仕事してね・・。」

とリーダーの杉原さん。

「ええ、必ず・・。」元々穏やかな彼女に、母親になった自信さえ感じられます。

デイミーイングに、母子も出席しました。



今日は、仕上げセクションリーダーの”ゆうこさん”が、会社を去る日です。

結婚するため引っ越されることになったのです。



「ゆうこさん、おめでとうございます。

16年9カ月もの長い間、真面目に勤めて下さってありがとう。



仕上げは、検査も兼ねている重要なポジションです。

何も無くて当たり前、褒められることもありません。

間違いが有った時の責任は重いし、目立ちます。

以前には、何回もクレーム報告書を書いて戴いたけど、

最近は、全く無くなりましたね。

内心では、若いのに、よくこんな地味な職場に真面目に

勤めて下さっていると感心していました。



そんな貴女は、必ず立派な家庭人になれると思います。

自信を持って明るい幸せな家庭を築いて下さい。

お幸せをお祈りしています。」



祝福の拍手の中、花束を胸にした彼女は、涙を浮かべて

皆にお礼の挨拶をし続けていました。



企業にとって、人は、人数さえ揃えればいいものではありません。

人は、時間を掛けて大切に育てていくもの。

厳しく暖かくの方針を貫いて、社員が幸せで繁栄できる会社を目指します。




不況で、仕事が減っている今、大切に育てた方々の雇用を守るため

頑張ろうと改めて思いました。

投稿者 yuriko