社長、会長が一度に亡くなり、日之出が危機に陥った十年四カ月前、専業主婦の私が、清水の舞台から飛び下りるような気持ちで社長を引き受け、

「いい会社にしたい。」という思いだけで、走ってきました。

少しでも改善し、少しでも良い製品を作り、少しでもいい会社に・・・
建て直しのため、極端に減らしたボーナスも少しづつでも多くしたい

「私が、社員の皆を幸せにする。」というぐらいの意気込みでしたが、
リーマンショック以後の不況で躓いてしまいました。

もう金銭的に報いることが難しくなったのです。
当初、厳しい無力感に襲われましたが、じっくり考えてみると、
そもそも「人を幸せにする。」などとは、思い上がった考え方だと気づきました。

幸せは、人から与えられるものではなく、自分で勝ち取るものだったのです。
また一人一人の心の持ちようにあるものです。

私には、皆を幸せにしてあげる力は無いけれれど、
皆が自分の力で幸せをつかみ取るためのお手伝いはすることはできる。

日之出の社員だから幸せなのではなく、
どこに行っても幸せ、どんな困難にあっても解決できる・・
どこに行っても生きて行かれる、そういう力を身につけるためお手伝いです。

それには、環境を整えなければなりません。
まずは、絶対の信頼がかかせません。

人は、尊重され、愛されていることが実感できた時、
自信を持ち、伸びていけるのだと思います。

厳しさも必要です。永く勤めていると、何でもあることが当たり前になって、
気配りが足りなくなり、間違いがあっても馴れ合いになりがちです。

お花だって、もう枯れそうってところまで水を絶つと、より美しい花を咲かせるのだそうです。

null 目標を持たないと、発展がありません。一生勉強、一生挑戦、一生青春です。

若い人はもちろん、嘱託の方たちまで、退社するその日まで
努力研鑽を重ね、技を磨き、人格を高めるようにとお願いしてあります。

いかに「自立した人間」を作るかが
会社に課せられた使命だと思っています。


ゆりこ

投稿者 yuriko