人は、命に限りがあるからこそ輝やく。
全ての草花や生き物や、行き交う人々が愛おしい。
9・11の恐怖のさなか、医師より告げられた凄まじい衝撃。
思い出すのが辛い、
八年経った今でも、秋はメランコリー。
朝は、笑顔で出勤し、
帰りは、真っ暗闇の中を泣きながら帰る日々。
およそ半年の間、私の目に映る景色はセピア色でした。
「女性は強いね。」と呆れられるくらい
明るく元気に仕事に邁進していましたが、
最初の二年、休日は一日中泣いていました。
私も辛かったけれど、子供達はもっと悲しかったでしょう・・。
父と兄を一度に亡くし、母も重病の床にあった
二人の妹さん達の心の淋しさ、虚しさもどんなに大きかったことでしょう。
優しくてユーモアのある会長と頼りがいのあるワンマン社長を失った
社員さん達も、さぞ心細かったでしょう。
あまりに急いで旅立ってしまったため、
友人の方々ともお別れの挨拶さえ出来ませんでした。
たくさんの友人がいた貴方、
博識で、頼りにされた貴方、
病気と戦う気力を失った貴方に
「代わりたい・・貴方の才能がもったいない・・。」と、つぶやいた私。
「それほどでも無いよ・・。」と、はにかむように笑った貴方・・
私が、代表取締役になる決意をした時、
とても喜んでくれましたね。
「お前ならできる。」
良い会社にすることだけを考えて走り続けてきました。
いろいろなことがありました。
高木さんの正社員になった一番初めの仕事は、会長の告別式の手配でした。
前社長のお通夜は、杉原さんの誕生日でした。
何十人かの社員さんには、何十通りの幸せと、試練がありました。
共に喜び、共に悲しみ、生きてきました。
多くの方々に支えられて今日の私があります。
ありがとう。感謝の気持ちで一杯です。
私の力は、とても小さいけれど、
少しでも世の中の役に立てるような生き方をしたいと願っています。