今日、縫製メンバーのHさんが、お別れの挨拶に来社されました。

昨年暮れからご主人のご病気のため、休んでいらしたのですが、

お義母さんも具合が悪くなられたのです。



ミシン仕事が大好きな彼女は、いつも真剣な眼差しの中にも

嬉しそうにモップを縫っていました。

2月の創立88周年研修会には、無理を言って参加して戴き、

久しぶりに明るい笑顔を見せて戴いたのですが・・



「誰でも、いずれ通る道ですから・・・」

介護に専念されるそうです。

10年もの間、真面目に勤めて下さったのです。

「ありがとうございます。」

「どうぞ、無理し過ぎて疲れないように・・。

たまには気晴らしにお顔を見せに来て下さい・・」



つい2週間前には、Tさんが、退社されたばかりです。

ご実家のお父さんの看病をしていらしたお母さんが急逝されたのです。

お通夜の席で、あまりに突然の事に泣き崩れている彼女に、

「お身体大事にしてね・・」としか言えませんでした。



Tさんは、1月に入社したばかりですが、素晴らしい腕の持ち主でした。

自動車不況が巡り巡って、いい人が来て下さったと喜んでいました。

カーシートを縫っていた前の会社で、

「景気が良くなったら戻って来てね・・。」と言われているそうなので、

「給料は負けるけど、居心地の良さで日之出を選んでもらおうね。」と

リーダーと話していたのですが、仕方ありません。



看病の目途がつき、お家が落ち着いたら、日之出に声を掛けて下さるそうです。

短い間でしたが、心が通じ合った気がして嬉しいです。



そういえば、いつもハキハキと意見を言ってくれるNさんのお義母さんも、

このまえ救急車で緊急入院されたのでした。



家族の看病、介護はいつも女性の肩に掛かってくるのです。



数年前、ある高官が「親を家でみるのは当たり前。」と

言われた事を悲しく思い出します。

そういう方に限って、親のお世話を自分でしたことが無いのでしょう。

看護師さんやヘルパーさんを雇うのだと思います。



日之出は女性の多い会社です。

皆さん、一所懸命子育てをしながら、家計も助けたいと頑張っています。

家族の看病や介護を担うのも、ほとんど女性です。



一人での介護の大変さは、想像以上です。

体力的にも厳しいですが、孤独感が心を蝕みます。



行政に携わる方々には、

女性が安心して子育てができる社会、

介護や看病に押しつぶされそうになっている人の孤独感を

見殺しにしない社会を実現して戴きたい。」
と、

心よりお願い申し上げます。

投稿者 yuriko