日之出の製品は、繊維・ゴム・金属・化学の多岐に渡っていますのので、一部の加工をお願いすることもあります。

十数年前に生産が始まった時から、加工をお願いしているA社さんから加工賃の見直しの依頼がきました。これまで品質とコストに協力してくださっていたのですが、設備の消耗と人件費の上昇はいかんともならないそうです。

お客様には、原料の値上がりにより一度は値上げをさせていだいたのですが、再度値上げをお願いしなければなりません。
長くデフレと需要の停滞が続いたせいか、多くのメーカーは原料や人件費の上昇分を価格に転嫁できないでいます。
A社さんが言うには、嘱託の熟練の職人さんが、安い給料で働いてくれているので何とかペイしているが、その人が引退したら、絶対に作れない加工賃だそうです。

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情けないですが、うちでも同じ状況です。60歳になって少ない退職金をお払いした後、給料を下げていただいて継続雇用の補助金をいただきながら、働いていただいています。

A社さんは、現在受注が多くあることもあり、値上げが認められなければやめることも考えている風でした。

この製品は性能が良く、耐久性も高いので、お客様から好評で売り上げが少しづつ伸びてきていて、日之出も何とか造り続けたいのですが・・・

加工先さんが断りたいような仕事では張り合いがありません。

先日聞いたある会社は、他に無い良い製品を作っているのに、価格が安いため原材料、開発費を除いたら、ほとんど手元に残らず、社員さんの給料を遅延しているそうです。

社長は、値上げしたら買ってもらえないと思い込んでいて、周囲がいくらアドバイスしても頑として受け入れないのだそうです。
お客様は製品を欲しがっているのに・・・
何のために開発しているのか・・・

お客様はもちろんのことですが、社員さん達や協力会社さん達に喜んでいただけなければ意味がありません。
安売りは誰も幸せにしません。
誠実に良い製品を造って、適正利潤をいただけるような仕事をしたいと願っています。
 
 
 
ゆりこ

 

投稿者 yuriko