元日之出メンバーのP君が7年ぶりに来てくれました。

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P君は中学三年生の時、日之出に入社しました。
日之出最年少社員誕生ですが、多分日本中でも最年少だと思います。 九年前の三月のある日、入り口の人材募集の貼り紙を見たとブラジル人女性が飛び込んできました。言葉もたどたどしく縫製の経験も無いので無理だったのですが、翌日15歳のP君を連れて来たのです。
夜間高校に入学が決まったのに、学費が足りなくてどうしても働かせてほしいとのことです。とりあえず顧問の社労士さんに電話で問い合わせたところ、法律的には卒業しても3月31日までは中学生の扱いで、たとえアルバイトでも働くには校長先生の許可が要ることがわかりました。
本人に先生と相談しなさいと伝えたところ、「わかりました。」と出て行きましたが、20分後に担任の先生を連れてきたのにはびっくりしました。日之出で働けなければ、高校に行けないと先生からも頼まれましたので、ご縁と思い採用することにしました。
校長先生の印のある許可証を即刻発行してくださった羽田中の先生方の対応は素晴らしかったです。

晴れて日之出メンバーになったP君は、さすが先生の推薦通り、朝の挨拶も明るく元気、素直で礼儀正しい少年でした。
大先輩のMさんやSさん、Iさんの指導も素直に聞くのですが・・・
やはりまだまだ遊びたい15歳、集中力が続きません。元来陽気なブラジル人ですので、ウォークマンで音楽をを聞きながらでの仕事です。聞こえないのは危険なので禁止して、ラジカセを設置したのですが、音が大きすぎて叱られたり、いろいろ注意され続けましたが、悪気の無い愛嬌のある性格は誰からも好かれていました。

せっかく入った高校を事情でやめてしまったので、せめて漢字ぐらいは身につけないと将来困ると思い、担当のIさんに赤ペン先生になって指導してもらことにしました。まずは本人のプライドを考え、小学6年のドリルを買って来たのですが・・・全くできないので、5年生、4年生と下げましたが・・・できません。
いっそ1年からとやり直し、超スローペースで2年までやりました。

当時3カ月に1回ぐらい楽しいことをと、お楽しみ抽選会をやっていたのですが、
明るく出勤したP君を見た瞬間、三遠マイスターズクラブの高級パンが、この子に当たるといいなとと思ったら・・・
ほんとうに一等賞の5,000円パンが当たりました。
喜んで大きなパンを持って帰ったP君でしたが、「皆さんも味わてください。」と半分くれたP君のやさしさに感動しました。

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後中程で帽子を被っているのがP君です。

お父さんの勤務地に引っ越すまでの2年半を日之出で働き、創業88周年記念行事も参加したP君の笑顔が忘れられませんでした。

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三年前に結婚して二月に長男誕生、勤務先の班長になって頑張っているとのことでした。日之出で初めて社会に出たP君が立派に成長してくれたことが、ほんとうに嬉しかったです。

ゆりこ

投稿者 yuriko